クロースドノート

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NHKよるドラ『だから私は推しました』は後半戦からが森下脚本の本領発揮!

 


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※画像はNHK公式サイトより引用

 

本日二度目のこんばんは、とにくろーすです。

 

この夏、NHKよるドラ『だから私が推しました』がとんでもなく面白い!!

 

NHK総合にて毎週土曜23:30から30分間の放送なのだが、この30分間があっという間に過ぎるほど、濃密なシナリオなのだ。

 

先週、全8回のうち第4回まで放送され、
物語は折り返し地点を迎えている。

個人的には明後日放送される第5回の後半戦から更に面白い展開になってくるのではないかとワクワクしている。

 

何せ、本作品の脚本を務めているのは...
森下佳子氏であるからだ。

 『だから私は推しました』脚本家・森下佳子が語る「地下アイドルの“危うさと美しさ”」 | 文春オンライン

 

同氏が脚本を務めたNHKでの代表作といえば、
朝ドラ『ごちそうさん』(2013年)、『おんな城主直虎』(2017)が挙げられる。


森下佳子氏の脚本は、毎回ラストの引きが絶妙な構成に加えて、
ご都合主義で完結させずに日常および人間の光と闇の両面をリアルに描いてくる容赦なさがとてつもなく素晴らしい。

 

本作でも毎回ラストで新事実を明かしつつも、
それでも事件の全容が見えてこない不気味さが
我々視聴者の興味を引き立ててくれるのだ。


『だから私は推しました』という物語は、
アフター5はヨガやジムに通い、SNS映えするレストランで女子会を楽しみ(?)、週末は彼氏とデートするOLだったヒロイン・遠藤愛が、
失恋を機に、地下アイドル「サニーサイドアップ」(というよりは、メンバーの栗本ハナ)に惹かれていく様子が描かれている。

そして、瓜田という男(ハナにしつこく付きまとう太客)をマンションで突き落とすまでに至った経緯として、
地下アイドル「サニーサイドアップ」(以下、サニサイ)にハマっていく自分と自らの推しであるハナと歩んだ二人三脚の1年半を、
ハライチ澤部演じる聖護院刑事に語っていくという構成である。


8月17日(土)に放送された第4回では、
ハナをアイドルサマーフェスの大舞台に立たせるために愛が奮闘し、
その甲斐あって、サニサイはその大舞台に出場することが出来、
ハナにサイリウムの光の海という憧れていた景色を見せてあげることができた感動のラストシーンとなった。

...だが、ここで綺麗にめでたしめでたしとしてくれないのが森下脚本の恐ろしさである。

 

そもそもアイドルサマーフェスに出場するには、
他の各アイドルグループがひしめき合う中で
最多獲得票数を得なければならない。
CDに付いてくる投票券で投票し、
一人何票入れてもよいシステムである。
つまり、大金持ちのオタクが居れば居るほど有利になる。
どこかで聞いたことのあるシステムですね。

 

愛もサニサイの票数を増やすためにある行動に出る。

サイリウムの光の海が流れるシーンの合間に

突然、
スマホのカメラ越しに妖艶な化粧とランジェリーなドレスをまとう愛の姿が映る。

 

 

 

いわゆる、アダルトライブ配信に手を出してしまっていたのである。
(もちろん、現時点では会社もオタ仲間もハナもその事実は知らない。)


ハナを大舞台に立たせるためなら何だってやるよという愛の貢ぎ方はとうとう引き返せないところまで来てしまった。
(バイト掛け持ちしてるハナに現金を直接渡すシーンも同様ですね...)


森下氏脚本のドラマは、
主人公の行動を綺麗事で終わらせない。
必ず避けては通れない茨の道を歩かせる。

 

例えば、これはNHKで脚本を担当した『ごちそうさん』・『おんな城主直虎』においても一貫して描かれている。

 

朝ドラ『ごちそうさん』では、
ヒロインのめ以子が戦時下で生きていくためなら闇ルートで食べ物を買うといったシーンや、また終戦直後になれば闇市で商売をするシーンもあった。

 

大河ドラマ『おんな城主直虎』では、
井伊家が生き残るために、幼なじみの家老・小野但馬守を主人公の直虎自らの手をもって槍で処刑するというエグいシーンがあった。
当時、ネット上では“槍ドン”で言われるようになった衝撃のシーンでした。

 

さて、『だから私は推しました』もこのあとどのような展開が待ち受けているのか。

次回予告によると、
サニサイのメンバー間において内部分裂が起こったかのように捉えられるシーンが流れた。
アイドル側はキラキラなまま描いてくれるだろうという自分が甘かった。
ここにきてアイドルグループの内部にまで、切り口を入れてくるとは...本当に容赦ない(誉めてます)。

 

第4回でアイドルサマーフェスに出場できたものの、
それから1年、瓜田を突き落とした日がサニサイの解散ライブ当日であるという衝撃の事実。

念願のアイドルサマーフェス出場から解散ライブに至るまで、愛とハナ、そしてサニサイに何が起こったのか?

第5回(8月24日放送予定)からの後半戦が楽しみである。